米コロナ追加対策が可決 93兆円、過去2番目の大型支出

 【ワシントン=塩原永久】米上下両院は21日、9千億ドル(約93兆円)規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案を可決した。トランプ大統領が署名し、同法案は成立。今春の2兆ドル規模に次ぐ過去2番目の大型対策が決まった。家計や中小企業を手厚く支援し、新型コロナのワクチン調達にも多額を支出。景気失速を防ぐとともに、感染症の封じ込めを急ぐ狙いの景気対策となった。

 追加対策は、1人あたり最大600ドル(約6万2千円)の現金給付や、週300ドルの失業給付の上乗せを実施。米経済の7割を占める個人消費を下支えする。

 ムニューシン財務長官は米CNBCテレビで、現金給付は来週にも開始できる見込みだと明らかにした。

 従業員の雇用を維持した中小企業の給与払いを事実上、肩代わりする「給与保護プログラム」や、航空業界の支援策も盛り込み、感染再拡大で減速気味の米経済の回復を後押しする。

 ロイター通信によると、ワクチンの製造・調達やコロナ治療の推進には2百億ドル(約2兆700億円)を振り向ける。

 9千億ドル規模の追加対策は、過去最大だった今年3月成立の2兆3千億ドルの対策に次ぐ大きさという。

 民主党は、新型コロナ対応に追われる州などの地方行政府を支えるため、最大3兆ドル規模の景気対策を求めたが、今夏以降、支出を絞るべきだとする共和党との協議が停滞。民主党が地方支援を断念するなど両党が歩み寄り、今回の景気対策がまとまった。

 次期大統領就任を確実にしたバイデン前副大統領や民主党は、来年1月のバイデン氏の就任後に新たな大規模な景気刺激策に意欲を示し、地方行政府への財政支援のほか、大型インフラ整備や温暖化対策への投資に乗り出したい意向だ。