<独自>検察の倫理観向上、文書の的確保存…法務・検察行政刷新会議報告書案判明 24日にとりまとめ

 東京高検の黒川弘務元検事長が賭けマージャンをしていたと報じられ辞職した問題などを受けて設置された法務省の有識者会議「法務・検察行政刷新会議」の報告書案の全容が21日、判明した。検察官の倫理観を高める取り組みの強化や、黒川氏の定年延長の経緯が問題視されたことを踏まえ、法務行政の透明化を図るため文書の的確な作成・保存などを求めることが柱。同会議は24日にも報告書をまとめる方針だ。

 同会議は、検察の信頼回復に向け当時の森雅子法相が7月に設置した。(1)検察官の倫理(2)法務行政の透明化(3)刑事手続きに国際的な理解を得られるための方策-の3テーマを課題に計8回会合を重ねた。当初、森氏は半年程度議論する方針を示したが、会議は年をまたがずに幕を閉じる。

 報告書案は、検察官の倫理観を高めるため「幹部が社会の目を意識し、常識から乖離(かいり)しないようにするための幹部研修などの取り組みを強化すべきだ」とした。

 ただ、具体論としてマスコミとの関係や私生活上の規律を含む新たな倫理規範の策定を求める意見を紹介する一方、「職務内外の信用失墜行為が懲戒事由とされているから必要がない」との反対意見も併記した。

 黒川氏の問題では、検察官にも定年年齢の違う国家公務員法の規定を適用できるとする検察庁法の解釈変更をした際、省内手続きを口頭決裁したことも重視。今回は省内の記録がほとんどなかったことも踏まえ、重要な解釈変更を行う場合は、事後検証しやすいよう文書を日付入りで作成・保存するため、省内のルールや運用の見直しを求めた。

 さらに、国連人権理事会の作業部会が先月、元日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告の日本での刑事手続きを「恣意(しい)的な拘禁」にあたるとする意見書を公表したことに言及。刑事手続きに国際的な理解が得られるよう「積極的な対外発信を行うべきだ」と記した。