「文政権は民主主義の敵」 ソウル市長選に安哲秀氏が出馬宣言

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の中道系野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表(58)は20日、国会で記者会見し、来年4月7日投開票のソウル市長選への出馬を宣言した。文在寅(ムン・ジェイン)政権を「民主主義の敵だ」と批判し、「政権の暴走を食い止める牽引(けんいん)車の役割をする」と強調。「反文在寅連帯」を掲げて野党の統一候補を目指す考えを表明した。

 今回の選挙は、朴元淳(パク・ウォンスン)前市長が7月にセクハラ疑惑で自殺したことを受けた補欠選挙で、2022年の次期大統領選の前哨戦と位置づけられている。与党「共に民主党」と最大野党「国民の力」ともに候補が固まっておらず、安氏が国民の力との間で候補の一本化を実現できるかが焦点だ。

 安氏は「ソウル市長選の敗北で政権交代が不可能になる事態を身をていして防ぎ、政権交代の土台をつくりたい」と主張。「野党全体が勝つ選挙をする」と野党共闘を呼びかけた。

 安氏はウイルス対策ソフトの開発などで若者らに広く支持され、11年の市長選出馬を目指したが、当時の野党統一候補の座を朴氏に譲った。12年の大統領選でも文氏に候補を譲った末、17年の大統領選や18年の市長選で敗れた経緯がある。

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