本物を忠実に再現しないのが魅力? クリスマス、コロナ禍で「プラレール」販売4割増の秘密に迫る       

 約20年にわたり、開発に携わるエキスパートの手塚友浩氏は「実際の車両を取材して、図面に落とす作業から始めている」と明かす。鉄道会社に協力依頼し、車両基地で写真を撮影したり、車体の特徴をつかんだりする作業から始めている。

 ポイントは本物を忠実に再現しない点だ。子供目線で本物に見えるように車体の特徴を強調したり、設計基準に合わせるためにデフォルメしている。例えば、昨年発売したJR東日本の次世代新幹線試験車両「アルファエックス」は先頭車両の先端部の鼻が22メートルあり、初期車両の4倍もある。プラレールでは本物より鼻が短いが、他の新幹線よりは長くしている。

 車両の色も本物に近づけてしまうと暗くなるケースもあり、手塚氏は「子供向けなので少し明るくすることもある」と説明する。子供が遊ぶため、安全性にも注意を払い、なるべく車両には付属品を付けず、手に取りやすいようにしている。

 そうした点に配慮して図面を書き上げた後の作業は工場が中心となる。金型を発注し、試作品を作り、同社独自のテストコースで走行試験や落下試験などを繰り返し、品質を確認する。問題がなければ、タイやベトナムの工場で量産体制に入る。通常は企画から販売まで約1年かかり、その間に鉄道会社に何度も監修してもらう。

最も売れた商品は?

 基本構成は変わらず、60年前のレールをつなげて遊ぶこともできるプラレールだが、時流に合わせた開発にも力を入れている。実在する車両以外に「きかんしゃトーマス」や新幹線がロボットに変形する「シンカリオン」も発売しており、いずれも人気シリーズとなっている。

 機能面では白色LEDを搭載し、トンネルで走らせるとかっこよく見える車両やドアが開閉する車両、プラキッズと呼ばれる人形なども発売し、遊びのバリエーションを広げている。

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