バブル時代創刊の地域情報誌は今も「ナウい」話題を発信

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 「なう」といえば今ではツイッターの「~なう」のイメージが強いが、昭和の時代、現代的で新しいものを指す言葉として「NOW(ナウ)」が流行語となった。その流行に乗って昭和63年に創刊した鳥取県の総合情報誌「とっとりNOW」は、令和のいまなおタイトルを変えることなく発行を重ねて128号。もはや誰も「ナウい」などと言わなくなった現在でも、県内の人や自然、文化などの「ナウい」情報を全国に向けて発信し続け、「ナウさ」を知らない世代にもファンを広げている。

先駆け的存在

 「編集長を引き継いだとき『この名で続けるのかあ』と思いました。でも、この名でここまで続いてきたのだからと思い直しました」。こう語るのは、平成17年に担当を引き継いだ2代目編集長の西村裕子(ひろこ)さん(53)だ。

 「とっとりNOW」は、鳥取県をはじめ県内市町村など43団体で構成する県広報連絡協議会が年4回発行する季刊誌。発刊時は「鳥取NOW」と漢字表記で、初代編集長の金田倫子(みちこ)さん(72)は「鳥取県の『今』を発信するという意味で『NOW』としたのですが、流行語であったことも意識にはありました」と振り返る。

 鳥取県のユニークな動きやすぐれたものを取り上げ、幅広い世代に読みやすく親しみやすい誌面とするのが編集方針。創刊当時、自治体が発行する全国向けの情報誌は少なく、金田さんは「和歌山と岐阜が出していた記憶があります。取り寄せて研究しました」と話した。

著名人も登場

 A4判、36ページ。10ページ程度を費やす「巻頭特集」をメインに、少し小ぶりの「特集」、鳥取の味や匠(たくみ)の技、企業の紹介などのコーナーで構成する。タイトルは変わったものの創刊当時から続く人気コーナーが、県ゆかりの人々のインタビュー企画「ここにこの人」。漫画家の水木しげるさん、映画監督の岡本喜八さん、経済学者の宇沢弘文さん、元横綱琴桜の佐渡ケ嶽親方ら各界のそうそうたるメンバー150人以上を取り上げている。インタビューに応える人たちに共通する思いは郷土愛だ。

 初代といまの編集長が図らずも共通して取り上げ、ともに「思い出深い人」と語るのが、鳥取市出身のイラストレーター、毛利彰さん。伊勢丹のファッションイラストレーションを担当したあとフリーになり挿絵や広告などを手掛けた。西村さんは「作品がとても好き。大きく紹介したかったので、14ページの大特集にしました」と話す。

編集長は元新聞記者

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