浪速風

豪の対中国姿勢 日本も参考に

 「中国とオーストラリアの民主主義は、再び衝突した。私は背後で何か大きなことが動いていると感じ…」。豪州の大学教授、クライブ・ハミルトン氏はそう思って著書「目に見えぬ侵略」を書いた。今年、邦訳が出て反響を呼んだ。

 ▼氏は、豪州に浸透する中国勢力の脅威を丹念に調べて描いた。同書の影響ばかりではあるまいが、中国への豪州の警戒は強まっているようである。中国発の新型コロナウイルスについて今春、閣僚が第三者による独立した調査を求めた。中国は反発し、貿易面で事実上の報復に出た。

 ▼さきごろ豪州は、豪州産大麦への中国の高関税を不当として世界貿易機関に提訴した。毅然(きぜん)とした態度に共感する。ハミルトン氏は同書の「日本語版へのまえがき」で書いている。中国の狙いはアメリカの持つ同盟関係の解体であり、インド太平洋地域では日本と豪州が最高の対象になる、と。豪州の態度は日本にとっても大いに参考になる。

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