新型コロナウイルスの国内での流行が収まらない中、春の大型連休、夏のお盆に続き、この年末年始も帰省しづらい状況に。そんななか中小・ベンチャー企業も様々なアイデアを使った帰省代わりのお歳暮「帰省暮」を売り出している。
介護ベンチャーのN.K.Cナーシングケアコーポレーション(鳥取県米子市)は、帰省できない家族に代わって介護士や看護師による見守りつき訪問サービス「私のお歳暮」の受け付けを始めた。
30分6千円(交通費込み)でスタッフが訪問し、生活状況や体調を確認し、写真付きの報告書を依頼主に送る。東京23区や横浜、名古屋、大阪、神戸、広島、岡山、鳥取、松江などの各市が依頼先であれば利用できる。
東京などの感染者が多い都市部から家族が帰省し、デイサービス(日帰り介護)を受ける人と接触すると、地域やデイサービス事業者によっては2週間程度、デイサービスを受けられない場合がある。
神戸貴子代表は「少子化で介護の担い手自体が不足している。コロナ禍でそれが加速しており、このサービスが課題解決につながれば」と話している。
一方、ITベンチャー、チカク(東京都渋谷区)のビデオ通話システム「まごチャンネル」の今年の出荷台数が前年比3倍超となる見通しだ。
通信回線を搭載した専用の受信ボックスをテレビに接続することで、スマホで撮影した動画や写真を、映し出すことができる。スマホを持たない高齢の両親にも、テレビの大画面で孫の姿などを共有できる。平成27年9月に発売を始めたが、新型コロナウイルスの感染拡大で2月以降は連日、注文や問い合わせが相次いでいるという。