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認知症だけど「自分らしく」 竹林プロジェクト

休憩時間におしゃべりをする岡本寛治さん(左)と松本礼子さん =東京都町田市
休憩時間におしゃべりをする岡本寛治さん(左)と松本礼子さん =東京都町田市

新型コロナウイルスの流行が再燃し、高齢者の体操教室や茶話会などの地域活動の実施が再び困難になっている。一方で、集いの場や外出の機会が減れば、高齢者の身体機能や認知機能の低下も心配される。工夫して活動を続けるグループを訪ねた。

対等な関係を築く

秋の日の午前、東京都町田市の竹林に、「HATARAKU(はたらく)認知症ネットワーク町田」のメンバーらが、集まった。

週1回、認知症の当事者と、支える仲間が集まる。この日は当事者3人を含む計約10人が伐採された竹を粉砕したり、チップを地面にまいたりした。遊びに来た子供たちが安心して竹林の中を走れるように、だ。

名付けて「竹林プロジェクト」。これまでも、この竹林で下草刈りをしたり、門松やベンチ、竹炭を作ったり。春にはタケノコ収穫祭も行った。参加者も事業内容もさまざま。介護保険のサービスではないから、日によってボランティアや親子連れや見学者が自由に集う。

仕掛けたのは、同市に住む自称「まちのおばちゃん」、松本礼子(あやこ)さんだ。認知症の人に戸外で活動する場を提供したいとスタートした。

松本さんは、介護保険の小規模デイサービスを運営する。70歳を過ぎて新たに取った資格もあるが、「認知症や要介護の人と対等な関係を築ける」(松本さん)と、以前から持っている介護福祉士の資格が気に入っている。

自分らしく生きる

晩秋のひんやりした風がササの葉を揺らす。松本さんが「一休みしよう。お昼になったよ」と声をかける。昼ご飯は、有機農家を営む青木瑠璃さん(50)がコンロを持ち込んで作ったほうとうだ。