朝晴れエッセー

心のアイコン・12月18日

じわじわと低気圧が近づく週末、実家へと足を向けた。

理由はといえば、父の夢を見たから。それも2日にわたり同じ夢。何かあれば連絡がくると分かっていても、最近、不義理気味な父のことが気になり、雨の中、向かった実家。そこには思いがけず先客、妹2人の姿があった。

何ら約束はなかったので、おのおの他の2人に出くわすとは夢にも思っていなかったはず。

「何もいっときに来ることないのにね」

「ひとりずつバラけて来たらいいのにね」

にぎやかすぎる談笑ののち、駅までの道すがら、妹たちもここ数日、父のことが気になり実家にやってきたことを知った。

さては、話に花を咲かせる娘たちの姿を見たくなった父が、見えない一斉メールを送ったのかな? 皆を集合させるには、少し心配させるメールである必要があったのかも?

そして文字通り、盆と正月が一緒にきたような時間が訪れた。

別れぎわ「たまに3人で来ようね」と約束をしなかったのは、「皆、集まれ」、その時には、父が心のアイコンをポチっと押して一斉メールを送ってくるだろうから。妹たちもそう思ったに違いないから。

人間まだまだ捨てたものではない。ネットがなくとも思いは通じる。

気持ちを込め、心のアイコンをポチっと押せば、愛する者たちへと届く。きっと。

石澤享子 59 千葉県我孫子市