若年性認知症でも働く楽しみ 東大阪市役所で弁当配達 - 産経ニュース

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若年性認知症でも働く楽しみ 東大阪市役所で弁当配達

若年性認知症でも働く楽しみ 東大阪市役所で弁当配達
若年性認知症でも働く楽しみ 東大阪市役所で弁当配達
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 働き盛りの65歳未満で発症する若年性認知症への理解を深めてもらおうと、大阪府東大阪市の市役所で、若年性認知症の市民が職員から弁当を受注し、配達した。若年性認知症で働くことが難しくても健常者と接し、仕事の楽しみを感じてもらう狙いから、市が企画した。

 市地域包括ケア推進課によると、弁当の配達は昨年12月から毎月1回、若年性認知症の市民とその家族らが交流する場「楽Cafe(カフェ)」を開く中で市が提案。参加者らが賛同し、実現した。

 市役所で弁当を配達したのは50~60代の若年性認知症の市民4人。職員らのサポートを受けながら、市役所7~10階の職員からドリップコーヒー付きの弁当(600円)を計179個受注。市役所内のレストランで調理された弁当を職員らに手渡す作業を行い、終了後に日当を受け取った。

 参加した同市の無職の男性(64)は、会社役員だった時期にアルツハイマー病を発症し、仕事から遠ざかっていたという。生活面では計算することが難しく、物忘れもひどいが、この日の仕事は「多くの人たちと触れ合えて、楽しかった」と喜んでいた。

 同市内の若年性認知症患者は厚生労働省の推計で約140人とされるが、同課で把握する対象者は9人にとどまり、実情把握が進んでいない。患者の多くは定職に就くのが難しいため生活が厳しいが、認知症は外見では判断しにくいため、病気への理解が進んでいない課題もある。

 今回、ハンバーグ弁当を注文した野田義和市長は、若年性認知症でも生活しやすい環境づくりに向けた企画について「一過性でなく、継続して取り組みたい」と話した。