建設アスベスト訴訟、国の責任確定 最高裁で初 対メーカーは弁論指定 - 産経ニュース

メインコンテンツ

建設アスベスト訴訟、国の責任確定 最高裁で初 対メーカーは弁論指定

最高裁判所=東京都千代田区(伴龍二撮影)
最高裁判所=東京都千代田区(伴龍二撮影)

 建設現場で建材に含まれるアスベスト(石綿)を吸い、肺がんなどを発症したとして、元労働者や遺族ら約330人が国と建材メーカーに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は、国側の上告を受理しない決定をした。14日付。規制を怠った国の責任を認め、計約22億8千万円の支払いを命じた2審東京高裁判決が確定した。全国9地裁で起こされた「建設アスベスト訴訟」をめぐり、国への賠償命令が確定するのは初めて。進行中の同種の訴訟に影響を与えそうだ。

 また、第1小法廷はメーカー側への請求を退けた2審の判断に関し、来年2月25日に弁論を開くと決めた。一連の訴訟はほかに横浜、京都、大阪、福岡の訴訟も上告されているが、メーカーの責任については高裁段階の結論が分かれており、最高裁が統一判断を示す可能性がある。

 今回の訴訟は、元労働者らが東京地裁に提訴。1審は昭和56年以降に作業に従事していた屋内労働者を救済対象としたのに対し、2審東京高裁は対象を「昭和50年10月1日以降」に拡大。国が責任を負う期間を「平成16年9月30日まで」とした。

 2審はさらに、個人事業主の「一人親方」に対しても国が賠償責任を負うと初めて認定。国側は労働安全衛生法で保護される「労働者」ではないと主張していたが、高裁は同法の趣旨や一人親方が現場で重要な地位を占めていることなどから、労働者と同様に「一人親方の利益は保護対象となる」と判断した。

 厚生労働省石綿対策室は「原告の方に国の損害賠償義務が認められたことについて重く受け止めています」とコメント。東京訴訟弁護団事務局長の佃俊彦弁護士は「今裁判を起こしている人は全被害者の1割にも満たない。被害者が裁判をせずに迅速な救済を受けられるような基金制度をつくるべきだ」としている。