カラオケから首相官邸まで「田園の音響研究所」発の逸品

 レコード針以外に、同社は最新の音響機器も手がけている。

 21年、耳に入れる左右のヘッド部分が有線でつながったタイプのワイヤレスイヤホンを開発、発売すると、スマートフォンの浸透とともに女性を中心にヒット。今年11月には、ランニングやトレーニングなど運動中でも着脱しやすいように仕上げた、ヘッド部分が分離した完全ワイヤレスイヤホンも開発した。

カラオケ市場トップ

 ワイヤレスイヤホンで使われている無線技術はマイク開発でも力を発揮している。

 カラオケから会議、コンサートホールとさまざまな場面で使うマイクロホンシステムは同社の売り上げの半分近くを占める主力。同じ建物内で複数のマイクを使う場所でも混信しない赤外線接続を得意としており、14年には首相官邸の会議室にも採用された。同社によると、カラオケボックスでの市場シェアは過半数を占め、トップを誇る。17年ごろをピークに進んだ市町村合併では、新しい自治体の議会議場にも多く採用されたという。

 音響機器の分野は世界的企業がライバルだ。マイクロホンシステムでは米シュア、独ゼンハイザー。ワイヤレスイヤホンも近年は米アップルやソニーが本腰を入れて完全ワイヤレスに参入している。オーディオテクニカフクイの谷下巧常務は「世界的なメーカーにも負けない、追い越せるような技術力を持った会社にしたい」と力を込めた。

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