匿名で審理、刺激証拠は表示されず 座間9人殺害判決

座間9人殺害事件の判決公判閉廷後、会見に応じる裁判員の西島達哉さん=15日午後、東京都立川市(桐山弘太撮影)
座間9人殺害事件の判決公判閉廷後、会見に応じる裁判員の西島達哉さん=15日午後、東京都立川市(桐山弘太撮影)

 15日に判決公判が開かれ白石隆浩被告(30)に死刑を言い渡した座間9人殺害事件の裁判員裁判では、東京地裁立川支部が、多数の犠牲者が性的暴行を受けて遺体を切断されるという凄惨(せいさん)な犯行態様などを考慮し、異例の対応を取ってきた。

 男性1人を除く女性8人が性犯罪の対象となったことなどから、公判では被害者保護を目的とした被害者特定事項秘匿制度に基づき、被害者は「A~I」のアルファベットで呼ばれ続けた。矢野直邦裁判長は白石隆浩被告にも被害者の氏名などを口にしないよう再三、念を押した。傍聴席の約3分の1を遺族ら被害者参加人用とし、他の傍聴者から見えないよう遮蔽(しゃへい)板を設置した。

 傍聴席から見える法廷のモニターには、遺体の写真など「刺激証拠」が映し出されることはなく、被告が逮捕後の実況見分で人形を相手に首を絞めた再現写真を表示するなどにとどめた。ただ、被告が遺体の処理手順について生々しい供述を続けた場面では、遺族らの退廷が相次いだ。

 また、最大の争点となった「殺害の承諾」の有無を丁寧に検証し、裁判員にも理解しやすいようにするため、発生順に1~3人目、4~7人目、8~9人目の3組に分けて審理した。

 実際、最初の3人は他の被害者と異なり、いずれも犯行前に自殺の意思を撤回するメッセージを白石被告に送っていた記録が検察側から提示された。一方、最後の2人は被害者の抵抗があったとする検察側主張に対し、被告が「抵抗はあったと思うが、具体的な反応は覚えていない」と証言するなど、グループごとの違いが浮き彫りになった。(村嶋和樹)