「コロナ変異種」感染急増 ロンドンで店内飲食禁止へ 

8日、英ロンドンの大学病院で新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける高齢者(ゲッティ=共同)
8日、英ロンドンの大学病院で新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける高齢者(ゲッティ=共同)

 【ロンドン=板東和正】英国のハンコック保健相は14日、首都ロンドンでパブやレストランでの店内飲食を禁止する措置を16日から開始すると発表した。ロンドンを含むイングランド南部を中心に新型コロナウイルスの変異種の感染者が急増しているため、厳しい措置の導入を決めた。

 英政府は今月2日、人口の大半を占めるイングランド地方で外出制限を解除。その後は各地域の感染リスクを「中程度」「高い」「とても高い」の3つに分類し、局地的な制限措置をとってきた。

 ロンドンは「高い」だったが、16日から「とても高い」に引き上げられる。「とても高い」の地域では、宅配や持ち帰りを除きパブやレストランなどの営業が禁止される。娯楽施設も閉鎖されるが、小売店や美容室などは営業を許可される見通し。

 ハンコック氏の14日の発表では、新型コロナの変異種に感染したことが確認されたのはイングランド南部を中心に1千人超。英メディアによると、変異種がより深刻な病状につながる証拠はない。ワクチンの効果に影響する可能性も低いが、感染拡大の速度が上がる恐れはあり、英政府は慎重に調査を続けている。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、英国の15日時点の感染者数は累計約187万人。外出制限の解除後、1日の新規感染者数が2万人を超える日もあり、感染の再拡大が懸念されている。

 新型コロナの変異種をめぐっては、北欧デンマークでも今年11月、毛皮採取用の家畜ミンクから感染した人にも確認されている。

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