コロナ禍を経た化粧品業界で、デジタルシフトが一気に加速する

NPDグループによると、米国で化粧をする女性の71パーセントが、パンデミックによるライフスタイルの変化によって以前に比べて化粧をする回数が減っているという。またマッキンゼーの概算にでは、今年の第1四半期のカラー化粧品の売上は75パーセントも減少している。

21年には市場回復?

どんなに不景気でも化粧品は売れるとよく言われてきた。ところが、「リップスティック・インデックスは、いまやモイスチャライザー(保湿用化粧品)・インデックスに取って代わられています」と、エスティ ローダーCEOのファブリツィオ・フリーダは8月に語っている。「リップスティック・インデックス」とは、口紅の売り上げが経済の不況と反比例する傾向にあることを説明した造語だ。

「いま起きているのは、美容市場の崩壊ではありません。すでに存在していたトレンドが加速したり、表面に現れるまでにはもっと時間がかかるだろうと思われていた潜在的なものが表面化したりしたにすぎません。カラー化粧品やフレグランス製品の苦戦は、パンデミック以前から市場では始まっていたのです」と、マッキンゼーのガーステルは指摘する。「半年前に聞かれていたら、とりわけヘアケアとボディケアの高級化へのシフトは3年後に始まるだろうと説明していたでしょう。それがいま起きているのです」

マッキンゼーが美容業界の運命について当初の予想を発表してから4カ月が経った9月には、その見通しは驚くほど楽観的になっている。ガーステルによると、マッキンゼーはその後、2020年の業界の売り上げ減少の予想値を20~30パーセントから15~20パーセントに修正した。

そのデータによると、中国での小売の売上は19年を超えるものになるという。また、世界市場については、21年には19年のレベルに回復するだろうとアナリストたちは予想している。

「ひとつの要因は、前例のない状況でデジタルシフトが起きているということです」と彼女は言う。「消費者がこれほど迅速にシフトするとは思っていませんでした」

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