【復興日本 序章 コロナと災害】(下) 進化する避難所(3/3ページ) - 産経ニュース

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復興日本 序章 コロナと災害

(下) 進化する避難所

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 避難所の環境整備をめぐっては市町村中心の運営の限界を指摘する意見もある。

 現在の災害法制は、住民に身近な市町村中心で対応する災害対策基本法をベースに、広域・大規模災害は特別法の災害救助法を適用する。同法は、都道府県知事が中心で救助を実施し、避難所運営は救助の一つとして明文化されている。

 ただ、市町村への事務委託を可能とする条文もあり、多くの被災地では運営の中心を被災自治体が担う。東北大大学院の島田明夫教授(防災法)は「本来は県の仕事で余裕があれば市町村に委託する形だが、市町村任せが当たり前になっている。市町村が大変な時に任せきりでいいのか」と苦言を呈する。

 今後想定される南海トラフ巨大地震でも、被害が広範囲で被災自治体が他の自治体の支援の手を借りられない恐れがある。榛沢氏は「避難所は誰もが早く出たいに決まっている」とし、こう訴えた。

 「避難者の自立のためにも避難所の整備が大切。国や都道府県が主導して、自治体ごとにばらつきがない基準をつくるべきだ」

 連載は橘川玲奈、田中佐和、大渡美咲、尾崎豪一、本江希望が担当しました。