技能実習生へ「みんな待ってます」タイ語の手紙に反響

 瀬川さんによると、タイでは名前にニックネームを付けるのが一般的だと聞いたといい、「子供にお金持ちになってほしいなら『ゴールド』。車好きなら車に関係する名前をつけるようで、ベンツ君の両親は車好きなのかも」と笑う。

 面接後、合格を告げ、名刺に「スタッフ一同心待ちにしています」と調べたタイ語を添えて手渡すと「本当に喜んでくれて」と振り返る。

コロナで延期も「安心してほしい」

 しかし、その後世界的に新型コロナが蔓延(まんえん)。10月に予定されていたベンツ君の受け入れも当面延期となった。

 「ベンツ君は自分がどうなるか不安な気持ちでいっぱいではないか…」

 瀬川さんの息子はベンツ君と年が近いこともあり、心配になって手紙を本人と家族へ送ることにした。少しでも安心してもらいたい一心だった。

 タイ語を学んだことはなかったが、インターネットの翻訳機能を使い、一つ一つの単語や文章を調べながら、手紙をつづった。日本語で書いた同じ内容の手紙も添えた。

 11月に完成した手紙を会社のツイッターに投稿。すると、大きな話題となった。「世の中の技能実習生を迎える社長がみんなこうだったらいい」「とてもあたたかい気持ちになりました」。ツイッターのコメント欄にはこうした声が寄せられたほか、会社にも「感動した」というメールが届いた。瀬川さんは「深い考えなく投稿したが、反響に驚いている」と話す。

来年来日へ「力になりたい」

 技能実習生をめぐっては、受け入れ先で賃金や残業代の未払いといったトラブルや、実習生自身が失踪するなどの問題も起きている。瀬川さんは、実習生を取り巻くこうした問題を今回初めて知ったといい「受け入れるからにはいいかげんなことはできない」と表情を引き締める。

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