EU、温室ガス排出量「2030年まで55%減」へ強化 産業転換狙う - 産経ニュース

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EU、温室ガス排出量「2030年まで55%減」へ強化 産業転換狙う

11日、ベルギー・ブリュッセルでのEU首脳会議であいさつを交わすフォンデアライエン欧州委員長(右)と欧州中央銀行のラガルド総裁(AP=共同)
11日、ベルギー・ブリュッセルでのEU首脳会議であいさつを交わすフォンデアライエン欧州委員長(右)と欧州中央銀行のラガルド総裁(AP=共同)

 【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は10、11両日にブリュッセルで首脳会議を開き、2030年に域内の温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減する現行の目標を引き上げ、「55%削減」とすることで合意した。また、米国でバイデン前副大統領が次期大統領に就任する見通しとなったことを受け、地球温暖化対策などでの米EU間の協力に期待感を示した。

 EUは新型コロナウイルス禍からの経済復興の柱として、クリーンエネルギーなど環境分野の育成とデジタル化を掲げる。新たな目標設定で、産業構造の転換を加速する狙いがある。

 フォンデアライエン欧州委員長は11日、記者会見で「(新目標は)2050年に排出量を『実質ゼロ』とする目標に筋道をつける。環境政策こそ、われわれの成長戦略だ」と述べた。

 新型コロナ対策で、首脳会議は7500億ユーロ(約95兆円)の復興基金を承認。基金は年明けにも運用が始まる見通しとなった。

 EUは7月に基金設置で合意したが、オランダや北欧諸国が「法の支配」の順守を受給の条件にすべきだと主張し、ポーランドとハンガリーが反発していた。首脳会議では、受給条件をめぐって欧州司法裁判所に判断を求める仕組みを設けることで、妥協が成立した。21年から7年間のEU中期予算も承認した。

 対米関係について、首脳会議は総括文書で、米政権交代を視野に「共通の利益と価値観に基づく強いパートナー関係」の重要性をうたった。経済や環境政策での協力に加え、新型コロナ対策、多国間主義の推進を列挙し、「次期大統領と共通の優先課題を話し合う用意がある」と呼びかけた。

 会議では、フォンデアライエン氏が英国との自由貿易協定(FTA)交渉が難航していることも説明した。