入居者殺害、男に懲役14年 高裁、弁償考慮

東京地裁(桐原正道撮影)
東京地裁(桐原正道撮影)

 東京都中野区の老人ホームで平成29年、入居者の男性を浴槽で溺死させたとして殺人罪に問われた元職員皆川久被告(28)の控訴審判決で、東京高裁は10日、懲役16年とした1審東京地裁の裁判員裁判判決を破棄し、懲役14年を言い渡した。

 弁護側は「殺意はなく、適切な介助を怠った保護責任者遺棄致死罪にとどまる」と主張したが、大善文男裁判長は、動作のほとんどに介助が必要な被害者を湯の張った浴槽に入れ、何ら介助をしなかったとして「溺れさせて殺害しようと考えた以外には説明できない」と退けた。

 その上で、1審判決後に被告側が遺族に被害弁償したことなどを考慮し、刑を2年軽減した。

 判決によると、29年8月22日、介護付き有料老人ホーム「ニチイホーム鷺ノ宮」の浴室で、湯を張った浴槽に自力で立ち上がれない藤沢皖さん=当時(83)=を入れて溺死させた。