昨日の小紙1面の「朝晴れエッセー」は多くの読者にとって、わが意を得たり、だったのではないか。作者がかつて旅行中に紛失した携帯電話を、JRの女性駅員はいやな顔ひとつせずごみをかき分けて探してくれた。
▼コロナ禍の影響でJR各社が赤字転落したとのニュースを聞いて、あらためて感謝とエールを伝えたいというのだ。「今更だが、今だから」。日々の暮らしを以前と同じように支えてくれている、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人たちすべてに向けて書かれたエッセーとして受け止めた。
▼なかでも最前線で重要な役割を果たしてきた、看護師ら病院職員の退職が相次いでいる。「もし感染したら、自分は、家族はどうなるのか」。コロナ患者を受け入れている病院では、看護師は恐怖と隣り合わせである。激務に対してねぎらいの言葉をかけられるどころか、心ない暴言にさらされ、差別や偏見に苦しんできた。