福井県あわら市の製薬会社「小林化工」は10日、睡眠導入剤成分の混入で自主回収している爪水虫などの治療薬イトラコナゾール錠50「MEEK」を巡り、健康被害の訴えが8日時点で計84人に上ると明らかにした。意識消失や記憶喪失などの副作用が報告されており、運転中の事故は11件あったという。
県は9日、医薬品医療機器法違反に当たるかどうかを調べるため、小林化工を立ち入り調査した。今後、行政処分など必要な対応を検討する。
イトラコナゾール錠は、医療用医薬品の経口抗真菌剤。同社によると、1錠当たりで最大投与量の2・5倍に当たる睡眠導入剤成分「リルマザホン塩酸塩水和物」が、製造過程で混入した。
4日に、9月28日以降に出荷した一部ロットの自主回収を発表。その後、混入とは別に、厚生労働省の承認を得ていない工程で製造されたことが判明し、回収対象を拡大した。