政府が配備を断念した地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア(地上イージス)」の代替策の閣議決定に敵基地攻撃能力の保有に関する結論を盛り込まない方針を固めたことが10日、分かった。「抑止力の強化」に向けた国家安全保障会議(NSC)での議論を踏まえ、引き続き検討する考えを示す。検討の期限は明示しない。
閣議決定は18日に行う方針。複数の政府・与党関係者が明らかにした。
安倍晋三前首相は退任直前の今年9月に発表した談話で、敵基地攻撃能力を含む「ミサイル阻止」に向けた「あるべき方策」を年内にまとめる方針を示していた。ただ、安倍氏自身は11月の自民党議員の会合で「結論を出すのは選挙との関係があるので、ちょっと先になるかもしれない」と述べ、衆院選後への先送りに理解を示した。
政府は地上イージスの代替策について検討を重ね、閣議決定ではイージス艦2隻を導入する案を盛り込む。敵基地攻撃能力に関しては公明党の反対もあり、9月の菅義偉内閣発足直後の段階で結論を先送りする見通しとなっていた。