皇后さま５７歳に　コロナ禍「力合わせ試練乗り越え」

　皇后さまは９日、５７歳の誕生日を迎え、宮内庁を通じて文書で感想を発表された。世界中が新型コロナウイルスの災厄に見舞われた今年を、「大変に心の痛む年」とご回想。医療従事者らに「心からの敬意と感謝の意」を表すとともに、国民が「力を合わせてこの試練を乗り越えていくこと」を願われた。

　皇后さまは文書で、国民と直接触れ合うことが難しい中で、オンラインを活用した交流の機会を「大切にしていくことができれば」とご記述。７月の豪雨災害の被災者にも思いをはせ、寒さが厳しくなる中で「くれぐれもお体を大切に」と気遣われた。上皇后さまから受け継ぎ、今年初めて本格的に取り組んだ養蚕についても振り返り、無事終えたことを「有り難く思います」とつづられた。

　皇后さまは平成１５年１２月から療養生活を続けられている。この１年は感染症の影響でお出ましの機会は減少したが、コロナ関連の専門家からの説明や関係者との面会は、１６回すべてに天皇陛下とともに臨まれた。

　医師団は９日、皇后さまのご病状について、「快復の途上」と昨年までの表現を踏襲した上で、「周囲の方々の理解と支援」の中で治療を続けていくことが大切との見解を示した。