新型コロナウイルス感染症の重症患者は、血管に血の塊ができる「血栓症」を13・2%と高い頻度で発症しているとの研究結果を9日、厚生労働省の研究班や日本血栓止血学会などの調査チームが発表した。国内でコロナと血栓の関係を重症度別に調査したのは初めてという。
血栓で血管が詰まると、呼吸困難や脳梗塞につながる恐れがある。チームの森下英理子金沢大教授(血栓止血学)は「重症者には血液が固まるのを防ぐ薬を投与するなどして予防を心掛けてほしい」と呼び掛けている。
チームは8月までに医療機関約100施設に入院した患者約6千人分のデータを解析。全体の1・85%に当たる105人が血栓症を発症していたことが分かった。
部位別では脚や肺、脳などに多かった。