エリートの辛酸と成熟 瀬島龍三、「集大成」の全日本体操

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 1人の男子体操選手が全日本選手権(10日開幕、群馬・高崎アリーナ)を最後にユニホームを脱ぐ。徳洲会の主将、瀬島龍三。大学2年で日本体操協会の強化指定「ナショナル選手」に選ばれるなど将来を嘱望されたが、社会人での7年間は度重なるけがとの戦いだった。29歳になったかつてのエリートは完全燃焼でキャリアに終止符を打てるだろうか-。(運動部 宝田将志)

■主将指名「龍三は議論ができる」

 「次のキャプテンは龍三で行く」

 監督の米田功が、そう告げたのは、2018年シーズン終了後のチームミーティングの席だった。

 この人選に瀬島自身、驚きを隠せなった。主将だった亀山耕平の後任は、自分より2年先輩の佐藤巧が務めるのが自然だと思っていたからだ。

 徳洲会の主将の看板は決して軽くない。過去には04年アテネ五輪団体総合金メダリストの米田や水鳥寿思、12年ロンドン五輪団体銀の田中和仁など、そうそうたるメンバーが担ってきた。対して、瀬島の主な実績は11年ユニバーシアード団体金メダル。国内の個人タイトルもなく、見劣りすると言わざるを得ない。

 では、なぜか? 米田は主将交代の理由を、こう説明する。

 「亀山は(あん馬に特化した)スペシャリストとして(練習やケアで)自由に動きたい。それを制限するのはプラスにならない。でも、チームをまとめる観点からすると、キャプテンは僕たちと相談するため近くにいてもらいたいんです」

 そこでオールラウンダーの瀬島に白羽の矢を立てた。

 「僕たちは『強くなるために大事だ』と思うことを選手たちに頑張らせます。その意図を理解して一緒に推し進められる人物が必要なんです。選手って、どうしても甘い設定を好みがちだけど、龍三は目的からしっかり議論ができる」

 高い期待を感じた瀬島は7代目主将を引き受ける決心をした。

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