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客の注文を聞いて、一杯ずつ丁寧にコーヒーをいれる「サードウエーブ」(第3の波)が注目されて久しいが、おいしい一杯を求める愛好家の好奇心は尽きない。現在、頂点とされるコーヒー豆がゲイシャだ。原産地のエチオピアにある村の名前から名付けられたとされるこの豆の取り扱いで、国内外から注目を集めているのが「サザコーヒー」(茨城県ひたちなか市)。同市内の本店と都内の2店舗では1杯3千円のコーヒーが提供され、人々の五感を楽しませている。(石原颯)
至高の一杯を求め、向かったのはサザコーヒーが平成30年7月、ゲイシャに特化した店として開店した東京・丸の内の「丸の内KITTE店」。同店では1杯3千円の「パナマ・ゲイシャ・エスメラルダ農園マリオ」が常時販売されている。
カップに鼻を近づけると、華やかで豊かな香りが広がる。口に含むとこれまで味わったことのない甘さが印象に残る。
「ひたすら甘みが違う。エスメラルダ農園の中でもマリオ地区は最高の豆が取れる」と語るのは、今年6月に社長に就任した鈴木太郎さん。各国の国際品評会に呼ばれ、世界から優れたゲイシャを取り寄せる。日本スペシャルティコーヒー協会の理事も務めている。
スペシャルティコーヒーというと酸味を生かして浅めに煎るのがセオリー。だが、同店のコーヒーは深く煎ることで、酸味が少なく甘さがより際立っている。鈴木さんは「おいしくない豆は深煎りすると風味が飛んでしまうが、しっかりした豆なら甘さが際立つ」と説明する。
昭和44年に茨城県ひたちなか市の喫茶店から始まったサザコーヒーは、ゲイシャの取り扱いで一躍、その名が全国区になった。