コロナ拡大、受験会場確保は 延期視野の大学も - 産経ニュース

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コロナ拡大、受験会場確保は 延期視野の大学も

 本格的な受験シーズンの到来を前に、各地の大学が新型コロナウイルス対策に頭を悩ませている。例年、入試会場には数百~数千人規模の受験生が集まる。マスク着用やこまめな換気といった対策の徹底は当然だが、クラスター(感染者集団)の発生などにより、会場が使用できなくなるケースも想定される。あらゆるリスクを想定し、入試の延期に加え、他大学との会場の連携などを模索する動きも出ている。(鈴木俊輔)

関大は他大と連携模索

 「入試はできる限り行うのが望ましいが、感染状況次第では延期も視野に入れる」。昨年度、約8万7千人が受験した関西大の担当者は話す。

 関大は新型コロナ感染拡大を受け、感染症の流行を想定した事業継続計画(BCP)を策定。状況が悪化した場合、来年2月1~7日に実施する一般入試を3月に延期したり、試験会場を全国28カ所から主要都市などに集約したりすることを盛り込んだ。また会場を集約した際の対応として、試験日程が重ならない近隣の大学との連携も模索する。

 前田裕学長は「安全を確保しながら入試を実施するのが大学の社会的使命だ」と強調。予定通りの実施が最優先になるとの考えを示した。

クラスターに懸念

 公共施設や予備校、ホテルなどを借り、キャンパス以外を試験会場とする私大も多い。ただコロナ禍の今、クラスターの発生は大きな懸念材料といえる。

 こうした施設には通常、不特定多数の人が出入りする。直前にクラスターが発生したり、感染者の利用が判明したりするケースも想定される。

 文部科学省は学内で感染が確認された場合、保健所と連携し消毒などの対応にあたることを求めている。関西のある私大関係者は「大学以外の会場でも同様の対応を取ることになる。状況次第で、会場の準備を当日朝から行うことも想定しなければならない」と話す。

 同志社大は和歌山市内の施設を試験会場に予定しているが、会場側との調整の結果、定員が設けられた。これを上回った場合、受験生には京田辺キャンパス(京都府京田辺市)での受験を求めることにした。

「最大限の配慮を」

 一般的に受験そのものは、不正防止などの観点から受験生同士の間隔が十分に確保されている。人との会話もほとんどないことから、感染拡大のリスクは低いとされる。

 コロナ禍の受験にあたり、文科省が作成したガイドラインでは会場の定員を収容人数の半数以下とし、受験生同士の距離を確保することを求めるが、ほとんどの大学では、従前から要件を満たしている。

 文科省のガイドラインはこのほか、マスク着用の義務化や試験監督の体調管理の徹底なども求めている。萩生田光一文科相は11月27日の記者会見で、「地域ごとの感染状況や各大学の実情を踏まえ、受験生にとって不利益な事態が生じないように最大限の配慮や工夫を行っていただきたい」と述べた。