コロナ禍だからこそ歌う第九は「新しい合唱様式」で

コロナ禍だからこそ歌う第九は「新しい合唱様式」で
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 「困難な時代でも理想を失ってはいけない。そんな思いを込めてベートーベンは第九を作った」。新型コロナウイルス禍でさまざまなイベントが中止に追い込まれた中、こんな思いから、第九の合唱をなんとか実現しようと奮闘している人たちがいる。愛媛県今治市のイベント「しまなみ第九」の関係者らだ。全員で集まって歌う形での開催は断念したものの、「新しい生活様式」に合致した方法で、新しいしまなみ第九を作り上げようとしている。

「別撮り」で合唱

 第九は正式には「ベートーベン交響曲第9番ニ短調作品125」という。このうち合唱付きで歌われるのは第4楽章だ。年末近くに歌うイベントは全国的に多いが、その中でしまなみ第九は今回で3回目と歴史は浅い。実行委員長の鎌田利恵さんが、埼玉県から同市伯方町(伯方島)に移住してきて「第九は文化のバロメーター。やった方がいい」と平成26年、仲間を募って開始した。

 第3回を今年3月に予定していたが、新型コロナの影響で延期に。鎌田さんはベートーベン生誕250年という記念の今年、なんとか開催できないかと考え、オンライン演奏会を思い立った。ソリスト4人でガイドになる音を作り、合唱はパートごとに収録して後で合わせる方式とした。

 そして11月29日、同市中央公民館大ホールで収録。指揮・音楽総監督を担うのは愛媛県立松山東高校教諭、長谷川公彦さん。同県松前町や松山市でも第九を長く指導してきた経験豊富な指揮者だ。演奏はエレクトーンユニット「クローバー」の阿部里美さんと河上幸絵さん。エレクトーン2台でさまざまな楽器の音を再現した。

「音楽は希望だ」

 長谷川さんの指揮で、午前中はソリストが収録。アルトの村川和美さんは「第九は音楽とソリスト、合唱のすべてがあって作り上げるもの」としながらも「別撮りとなったが、歌う機会をいただいてありがたい」と感謝を口にした。また、テノールの八木徹雄さんは「映像とどうつながるのか楽しみ」と出来上がりに期待を寄せた。