【正論1月号】国会は学術会議の反国民的行動を問え 産経新聞論説副委員長 榊原智(1/3ページ) - 産経ニュース

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正論1月号

国会は学術会議の反国民的行動を問え 産経新聞論説副委員長 榊原智

日本学術会議の事務局が入る建物と看板=東京都港区(鴨川一也撮影)
日本学術会議の事務局が入る建物と看板=東京都港区(鴨川一也撮影)

 ※この記事は、月刊「正論1月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリックへ。

 高度な科学技術を擁しながら、それを外国の侵略から自国や国民を守り抜くことに生かそうとすると、政府の機関から批判され、妨げられる奇妙な国が世界で一つだけあります。ほかならぬ日本のことです。

 この政府の機関とは日本学術会議のことで、同会議が排斥しているのが、防衛省が平成二十七年度に創設した「安全保障技術研究推進制度」です。この制度は、防衛と民生の双方に応用可能なデュアルユース(軍民両用)技術の研究を支援するものです。

 学術会議による、日本のための軍事科学研究の排斥はゆゆしき問題なのですが、筆者は十月二十六日召集の臨時国会の代表質問や予算委員会の基本的質疑を

みて、驚きかつ呆れてしまいました。

 この重大な問題が論じられなかったからです。代表質問や予算委員会における学術会議をめぐる質疑は、ピントのズレたものになりました。

 菅義偉内閣発足後初の国会の冒頭の論戦では、確かに学術会議に多くの時間が割かれました。

 衆院予算委は十一月二、四日に、参院予算委は同月五、六日にそれぞれ基本的質疑を行いました。合わせて約三十時間になりましたが、およそ三割の時間が学術会議に費やされました。衆院の代表質問は十月二十八、二十九日に、参院の代表質問は同月二十九、三十日に行われ、合計十一時間余でした。そのうち約一割が学術会議に充てられました。

 その急先鋒は野党第一党である立憲民主党と、日本共産党という左派野党でした。彼らは、学術会議の会員推薦名簿(百五名)のうち六名の任命を菅首相が見送ったことを違法だと断じ、六名をそのまま任命するよう求めました。任命を見送った理由を個別に明らかにするよう何度も質しました。

 立民と共産の左派野党の主張には首をかしげざるを得ません。