75歳以上の医療費2割 政府「年収170万円」案を堅持 - 産経ニュース

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75歳以上の医療費2割 政府「年収170万円」案を堅持

臨時国会が閉会し会見に臨む菅義偉首相=4日午後、首相官邸(春名中撮影)
臨時国会が閉会し会見に臨む菅義偉首相=4日午後、首相官邸(春名中撮影)

 政府・自民党は4日、75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げる制度改革をめぐり、公明党と断続的に協議した。最大の焦点となっている2割負担の対象者の所得基準で合意に至らず、同日夜に予定していた全世代型社会保障検討会議(議長・菅義偉首相)の開催を見送った。ただ、政府は単身世帯で「年収170万円以上」の案を堅持する方針だ。同会議の最終報告をまとめたうえで、8日の閣議決定を目指す。

 首相は4日の記者会見で、医療制度改革について「負担できる人を増やして、将来の若い世代の負担を少しでも減らすのは大事だ。多くの人が少しずつでも負担をして、安心、安全の社会保障制度を作っていく」と述べ、より幅広い層に負担増を求める考えをにじませた。

 これに先立ち、首相は自民の二階俊博幹事長と会談し「政府方針で了解が得られるようにご協力願いたい」と述べ、公明から理解を得るよう指示した。

 「170万円以上」の案は厚生労働省が示した5案の中で、対象者が2番目に多い。後期高齢者に占める割合は、すでに3割負担をしている現役並み所得がある人を含めて38%で、新たな2割負担の対象者は約520万人。公明党は最も対象が少ない「240万円以上」の案を求めており、割合は20%、新たな対象者は約200万人にとどまる。

 団塊世代が令和4年から後期高齢者になり始めることに伴い、医療費の急増が予想される。政府は「給付は高齢者中心、負担は現役中心」という社会保障制度の構造を見直し、現役世代の負担を軽減する必要に迫られており、首相は「170万円以上」の案にこだわっている。

 ただ、公明もかたくなだ。来年には衆院選のほか、公明が重視している東京都議選もある。選挙を控えているのは自民も同じだが、党内は推進派と慎重派が混在しており、公明に歩み寄ることはなかった。

 ただ、施行時期に関し、4年度初めまでとしていた方針を4年秋以降に先送りすることでは事実上合意した。