コロナ専門病院 退職者続出で悲鳴 「中等症病床拡充を」

全国初のコロナ専門病院となった大阪市立十三市民病院の西口幸雄院長。中等症患者の受け入れ施設拡充を訴えている=11月24日、大阪市淀川区(前川純一郎撮影)
全国初のコロナ専門病院となった大阪市立十三市民病院の西口幸雄院長。中等症患者の受け入れ施設拡充を訴えている=11月24日、大阪市淀川区(前川純一郎撮影)

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、自粛要請の基準「大阪モデル」の赤信号を点灯させた大阪で逼迫(ひっぱく)しているのは、重症病床だけではない。全国初の中等症専門病院である大阪市立十三市民病院(淀川区)では退職者が相次ぐ一方、重症化リスクが高い高齢者らを受け入れ、「綱渡り」の状態が続く。現場は中等症病床の拡充に加え、重症病床との一体運用の必要性を訴えている。

 大阪府が約70の医療機関との間で確保した軽症・中等症病床は1226床。十三市民病院は、うち90床を備える中核施設だ。3日の府内の軽症・中等症病床使用率は53・7%、実際の運用病床数に占める軽症・中等症患者の割合は63・6%に上り、予断を許さない。

 十三市民病院は松井一郎市長の肝煎りで、5月から中等症専門病院としての運用を開始。もともとコロナ患者約20人を受け入れていた結核病棟に加え、一般病棟も改修し、6月下旬までに90床を確保した。

 現在、同院へ搬送されるコロナ患者の大半は重症化しやすい高齢者で、入院患者では70代以上が7割を占める。食事や排泄(はいせつ)など介助が必要な患者も少なくない。

 入院中のコロナ患者(1日平均)は5月に11・5人だったが、感染第2波の8月に42・3人と約3・7倍に急増。第3波の11月には45・5人まで増えた。確保した90床のうち、現時点で実際に運用できるのは「60床が限界」(西口幸雄院長)という厳しい状況だ。