【スポーツが未来を変える】小さな変化の積み重ね「つなぐ食事」武田哲子准教授(1/2ページ) - 産経ニュース

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スポーツが未来を変える

小さな変化の積み重ね「つなぐ食事」武田哲子准教授

武田哲子准教授
武田哲子准教授

 アスリートの身体づくり、パフォーマンスを支える食事を考える上で押さえておくべき大切なことは、「体は毎日つくり変えられている」ということです。大学での授業やアスリートに対する講習会などでは、このことをまず説明します。「今ある体はこれまでに食べたものでできていて、これから食べるもので未来の体ができるのだ」と。

 その変化は小さくて、目に見えないものです。体は毎日毎日細胞レベルでつくり変えられていますが、見た目が劇的に変わるわけではありません。トレーニングの成果と同じです。スポーツの世界は一見華やかに見えますが、アスリートたちはその華やかな舞台に立つために、毎日自分の体と向き合いながら、こつこつと小さな変化を積み重ねています。

 2020年、世界は劇的に変化しました。2月、私はセーリング日本代表チームのスタッフとして今年の海外遠征をスタートしました。2月はオーストラリア、その後すぐにスペイン、フランス…と立て続けに遠征が予定され、その後はいよいよ東京オリンピック本番…のはずでしたが、オーストラリアから帰国したときには、出発したときとは違う日本になっていました。突然、世界への扉が閉ざされました。

 海外遠征での栄養サポートというと、こちらも華やかな印象があるかもしれません。ですが、ご存じの通り、「これを食べたから勝てる」というような魔法の食事はありません。遠征先でのサポートは、これまで選手が積み重ねてきたことを本番のレースまで「つなぐ食事」です。何かアクシデントがあって体調を崩さないように、緊張やストレスで硬くなった心が少しでも柔らかくなるように、安全で楽しい食事でレースまでつなぐ。そんなことを心がけています。