働く人たちが一丸になれる集合写真、ほぼ合成なしの臨場感

働く人たちが一丸になれる集合写真、ほぼ合成なしの臨場感
働く人たちが一丸になれる集合写真、ほぼ合成なしの臨場感
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 豊かな表情と臨場感あふれるユニークな一枚。ポーズや配置にこだわり、幾度ものやり直しの末に仕上がったほぼ合成なしの集合写真は働く人のいきいきとした姿をとらえ、楽しさや喜びが伝わってくる。モデルではなく、実際に働く人を被写体にした集合写真を手掛ける静岡市の写真家、杉山雅彦さん(48)。これまでに100以上の現場を撮影し、写真集も出版。杉山さんは新型コロナウイルスの感染が拡大する中、「作品を通して笑顔と元気を発信したい」と撮影を続ける。

30個のストロボを使用

 「少し中腰で」「1段上に上ってください」。パソコンの画面で構図を確認した杉山さんが、拡声器から指示を出す。11月下旬に北四国グラビア印刷(香川県観音寺市)で行われた撮影。食品用のパッケージを印刷する工場に、作業着やスーツを着た数十人の社員が並ぶ。それぞれパソコンやインクの缶、お盆と湯飲みといった業務に欠かせない道具を手にしている。

 同社が創業50周年を記念し、撮影を依頼。新型コロナの影響で当初より半年遅れとなったが、リモートで打ち合わせを重ね、この日の撮影にこぎつけた。

 構図が決まると、「いち、にの、さん」の合図で撮影。30個のストロボが大量の光を放つ中、最前列の社員はインクに見立てた色水を豪快に流す。参加者の顔が重ならないよう、位置を調整。全員が集まってからおよそ3時間。最後となった18回目の撮影が終わると自然と拍手が上がった。

ニッポンのはたらく人たち

 静岡市葵区で「フォトスタジオ ピース」を経営する杉山さんが集合写真に取り組み始めたのは約10年前。仕事を紹介する子供向けのフリーペーパーの撮影がきっかけだった。さまざまな職種の集まりで成り立つ「仕事」を一枚で伝え、興味を持ってもらおうと、大勢が登場する独自のスタイルを編み出した。

 周囲から大量の光を当て、登場人物の勢いや輝きを引き出す効果を狙った。「一瞬をとらえることができ、動きがピタッと止まる」と杉山さん。いきいきとした姿をとらえた写真は広告として注目を集め「うちの会社も撮影してほしい」と各地から依頼が舞い込むようになった。