富士山登山鉄道「十分成り立つ」 山梨知事、ユネスコ訪問し説明へ

山梨県の富士山登山鉄道構想検討会理事会に臨む理事長の山東昭子参院議長(左)と長崎幸太郎知事=2日、国会内(渡辺浩撮影)
山梨県の富士山登山鉄道構想検討会理事会に臨む理事長の山東昭子参院議長(左)と長崎幸太郎知事=2日、国会内(渡辺浩撮影)

 富士山の山梨側の麓と5合目を結ぶ富士山登山鉄道構想の実現可能性を議論する山梨県の検討会(会長・御手洗冨士夫経団連名誉会長)の理事会が2日、国会内で開かれ、採算性などを示した基本構想素案を了承した。長崎幸太郎知事は記者団に「登山鉄道が十分成り立つことが分かった」と、課題を克服した上での実現に期待を示した。

 検討会は来年2月上旬に総会を開き、基本構想をまとめる方針だ。知事は、パリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部を訪れて自ら基本構想を説明する意向を示した。

 素案は、事業費を1200億~1400億円と試算。年間利用者数を約300万人、運賃を往復1万円とした場合、単年度損益を「開業初年度から全て黒字」と見積もった。

 理事会には知事や理事長の山東昭子参院議長と理事12人が出席。松浦晃一郎・元ユネスコ事務局長は「よくできた素案」と評価した上で、ユネスコへの丁寧な説明を求めた。

 「安全面についてもう少し掘り下げてほしい」(坂井究JR東日本常務)、「収支の予想には維持管理費も考慮を」(宮田年耕・首都高速道路社長)、「落石の可能性も検討を」(藤井敏嗣・元火山噴火予知連絡会会長)といった注文も付いた。

 一方、政府が11月末、ユネスコの世界遺産委員会に対して登山鉄道構想について初めて報告したことが分かった。

 文化庁によると、報告は登山鉄道について「自動車交通による環境負荷の抜本的軽減や来訪者管理のため、多角的な観点から代替交通手段の可能性が山梨県で検討されている」としている。

 大きな課題となっているユネスコとの調整が始まることで、実現可能性が進むことになる。