知ってる?!

コメ離れ(1) 新型コロナが拍車 新米価格6年ぶり下落

倉庫に積みあがる在庫米(全農パールライス提供)
倉庫に積みあがる在庫米(全農パールライス提供)

 日本人のコメ離れが進むなか、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が追い打ちをかけている。新米が出回る10月の相対取引価格(卸値)が6年ぶりに下落し、各地で在庫が積みあがっているという。

 農林水産省によると、折からのコメ離れに、コロナ禍による外食やインバウンド(訪日外国人客)需要の低迷が拍車をかけた。6月末までの1年間の需要実績は前年比20万トン減の714万トン。民間在庫米は200万トンと4年ぶりの高水準となった。10月のコメ(玄米)の卸値は、全銘柄の平均価格が60キロ当たり1万5065円(前年同月比4%減)だった。

 コメ離れの主な原因は人口減少のほか、食の洋風化や共働きなどライフスタイルの多様化があるという。1人当たりの年間消費量は昭和37年の118・3キロをピークに減り続け、昨年度は53・0キロとピーク時の半分以下。1世帯当たりの購入額では平成26年以降、パンを下回っている。

 全農パールライスの吉田浩管理部長は「外食やインバウンド需要が持ち直すには、時間がかかる。国内消費を喚起するしかない」としたうえで、「コメは日本人の主食。栄養面やコスト面など、さまざまな魅力を伝えていきたい」と話している。(取材協力 全農パールライス)

会員限定記事会員サービス詳細