「心中月夜星野屋」が再々演 中村七之助「今こそ楽しんで」 歌舞伎座

「心中月夜星野屋」が再々演 中村七之助「今こそ楽しんで」 歌舞伎座
「心中月夜星野屋」が再々演 中村七之助「今こそ楽しんで」 歌舞伎座
その他の写真を見る (1/2枚)

「12月の歌舞伎座は4演目とも面白いと思います。自粛期間中、ネットで初めて歌舞伎をごらんになった方も多いと思いますので、1演目でも複数でも、生の舞台をお楽しみ頂きたいです」

歌舞伎俳優の中村七之助が歌舞伎座(東京都中央区)で1日、開幕した「十二月大歌舞伎」の第2部(開演午後1時半)、古典落語の「星野屋」をもとにした新作歌舞伎「心中月夜星野屋」に主演している。2年前の初演が好評で、昨年も再演、さらに今回で再々演と、新作では異例の3演目を数える人気作だ。

青物問屋の主人、星野屋照蔵(市川中車=香川照之)と深い仲のおたか(七之助)。金策に困る照蔵から心中を持ちかけられるものの、がめつい母親(市川猿弥)と組んで照蔵をだまそうとする-という男女の駆け引きが展開する。

「笑いあり、踊りの要素もありで、今の時代にこそひととき、楽しんで頂きたいです。猿弥さん以外は初演メンバーのままで、脚本の小佐田定雄さんが役者へあて書きをしてくださいました。照蔵は(香川)照之、おたかも(七之助の本名)隆行から取っているんですよ(笑)」

心中騒ぎが幽霊騒ぎになるおかしさや、昆虫好きで知られる中車ならではのせりふもあり、笑いの要素は満載。男女の仲介役で片岡亀蔵も加わり、芸達者な4人が軸になるのも見どころだ。2年前の初演時、桂文珍が今作を見て、高座で「星野屋」を披露するようになるなど、公演は落語界にも影響を与えた。

「古典風の新作はやりやすい。後世に残る新作を、と思っているので、(今作を)立ち上げた本人として3演目はうれしいです」

37歳。兄の勘九郎とともに、歌舞伎の次代を担う「中村屋」兄弟だ。若手女形の主力だが、かつては女形が好きではなかったと話す。

「娘役で帯を締めてじっとして、何でこんなに苦しい思いをしなければいけないのかって。立役(男役)は見得をして、発散できていいなぁと思っていました。浅はかでした」

会員限定記事会員サービス詳細