児童虐待~連鎖の軛 第3部⑤

「愛着障害」向き合う母、悩み共有 過去と決別

睡眠をとり、気の赴くままに外出した。一人の時間の中で過去を振り返り、受け入れた。それを繰り返していくと、初めて人生が楽しいと思えた。同時に息子がいない寂しさを心から感じた。怒りがこみあげてきても、その原因を冷静に分析すると、制御できた。

西田さんは、以前の山岡さんを「暗闇の中、一人で山中をさまよっていた」と例える。悩みを共有し、存在を認めてくれる母親仲間が「地図」となって進むべき道を示してくれた。

このような出会いをいかに必然にできるか。友田教授は「子供を健全に育てるためには、親が健全でなくてはならない。育児に悩む親を社会全体で支え、ともに未来の担い手を育てるという考え方『とも育て』を浸透させる必要がある」と訴える。

必ずしも虐待は連鎖するものではない。連鎖が強調され過ぎれば、被害者の未来を閉ざしてしまう。過去を受け止めて、ともに歩いてくれる人がそばにいる。それを当たり前にすることが、求められている。

(西山瑞穂、小松大騎、桑波田仰太、野々山暢が担当しました)

「児童虐待」に関する皆さんの情報やご意見、ご感想を募集します。

住所、氏名、年齢、性別、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661産経新聞大阪社会部「虐待取材班」、FAXは06・6633・9740、メールはgyakutai@sankei.co.jpまでお送りください。

会員限定記事会員サービス詳細