旧優生保護法下の強制不妊、大阪訴訟も原告側の敗訴判決 - 産経ニュース

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旧優生保護法下の強制不妊、大阪訴訟も原告側の敗訴判決

入庁する原告の支援者や弁護団ら=30日午後、大阪市北区(寺口純平撮影)
入庁する原告の支援者や弁護団ら=30日午後、大阪市北区(寺口純平撮影)

 旧優生保護法(昭和23~平成8年)下で不妊手術を強制され、憲法が保障する自己決定権を侵害されたとして、聴覚障害のある大阪府の80代男性、70代妻と知的障害のある近畿在住の女性(77)の計3人が国に計5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、大阪地裁であり、林潤裁判長は原告側の訴えを退けた。

 旧法下での不妊手術をめぐり全国9地裁・支部で起こされた国賠訴訟で、仙台、東京に続く3例目の判決だった。

 主な争点は、不法行為から20年を過ぎると賠償請求権が消滅すると定めた改正前民法の「除斥(じょせき)期間」が適用されるかどうか。原告側は、早くとも国による補償の必要性を認めた16年3月の厚生労働相発言後と主張。また、「改正前民法が定める20年が経過していたとしても、国による残酷な人権侵害について救済が図られないのは不合理だ」と除斥期間を適用しないよう訴えていた。

 これに対し国側は、不妊手術の施術時が除斥期間の起算点にあたると指摘。すでに20年以上が経過してからの提訴だったとして、棄却するよう求めていた。

 一連の訴訟では、1例目の判決だった昨年5月の仙台地裁判決が旧法を違憲としつつ国の賠償責任は否定し、除斥期間も経過しているとして請求を棄却した。2例目の東京地裁判決も除斥期間を適用して「請求権は消滅した」と認定。起算点は、遅らせるとしても旧法の不当性が与党や厚生省(当時)で共有された昭和60年代か旧法が改正された平成8年としていた。

 強制不妊手術をめぐっては昨年4月、被害者に対する「おわび」や1人当たり320万円の一時金支給を盛り込んだ救済法が議員立法で成立。今年6月には衆参両院で実態調査が始まった。