北海道は29日、道南西部の離島・奥尻島の奥尻町で新たに9人の新型コロナウイルスへの感染が確認されたと発表した。同町では今月26日にスナックで経営者1人と客8人の計9人のクラスター(感染者集団)が発生しているが、新たな9人はいずれも、このスナックを訪れていない。道は濃厚接触者の調査を続けている。
道の担当者は「感染者はいろいろな関係で接触があった」と話している。
奥尻町は人口約2500人。奥尻島全体が同町で、島内の感染者は公表分で計18人となった。同町は、来島者へ体調や体温などを確認し健康管理に気を付けて訪れるよう呼び掛けている。
道によると、新たに感染が確認された9人は町職員ら20~70代の男女8人と年代が非公表の男性自衛官。このうち職業が非公表の50代男性が酸素吸入を必要とする中等症で、ほかの8人は軽症。島内には病院が一つあるが、感染者を受け入れる病床はなく全員が島外へ搬送された。
奥尻町では、25日に職員の感染が確認された役場本庁舎の一部と青苗支所を休業としていた。新たに町職員の感染が確認され、30日は本庁舎や青苗支所などを臨時休業とすると告知している。
道内では29日、新型コロナウイルスに感染した患者5人が死亡し、奥尻町の9人を含む192人の感染が確認された。
また、道は29日、新たに江別市の特別養護老人ホーム「ひだまり大麻」でクラスターが発生したと発表した。感染者は職員5人と入所者6人の30~100歳代計11人で、いずれも軽症か無症状という。