朝晴れエッセー

マスク越しの運動会・11月28日

長男が小学校に入学し、初めての運動会が行われた。11月のさわやかな青空、少し冷たくなった風に小さな国旗の飾りが揺れている。

数々のイベントが中止になり、入学しても家から出られない日が続いた。初めてのことだらけで親である私たちも必死だった。戸惑いや不安をいっぱいに抱えているであろう子供たちは、それでも笑顔で、強く、たくましくこの環境に対応してきた。

午前中だけ、観覧人数を抑えた運動会。しかし、それが何だ。マスク越しの子供たちの顔は、まぶしいくらいに明るく笑っている。

1年生はまだブカブカの体操服に着られた小さな体で、お兄さんやお姉さんを、友達を、必死で応援している。6年生にとって小学校最後の組体操を真剣なまなざしで見ている。練習時間が短い中、ダンスやリレーなどの競技を覚え、マスクの下に汗を流し、真っ赤な顔をくしゃくしゃに崩して笑っている。

親には見えないスピードで大きくなっていく。全力で走っても追いつけないくらいのスピードで。カメラのシャッターを切りながら、忘れたくないと思った。

世界がどんな状況になろうとも、この日を、この瞬間を、一生懸命生きている姿を、カメラのシャッターよりもたくさん、心に焼きつけておこうと思った。

いつか、マスクをつけて運動会をしたときがあったなあと、笑って話せる日がくるだろう。疲れて眠った長男の、あたたかい頬に触れた。お疲れさま。頑張ったね。ありがとう。

それと、来年はマスクの下で器用に赤白帽のゴムをかむのはやめろよ、という気持ちを込めて。

萩原深雪 37 大阪府泉佐野市