座間事件 最終論告と最終弁論の要旨

白石隆浩被告(ツイッターから)
白石隆浩被告(ツイッターから)

 座間9人殺害事件で強盗強制性交殺人などの罪に問われた白石隆浩被告の公判が26日、東京地裁立川支部で開かれた。検察側の最終論告と弁護側の最終弁論の要旨は次の通り。

 ■検察側の最終論告

 【被告の供述】

 一貫性があり、内容が自然かつ合理的で十分信用できる。生前に被害者が発信したツイッターのメッセージなど、客観証拠や事実経過と符合する。記憶の有無や濃淡を的確に区別しており、虚偽の可能性はない。

 【殺人の承諾】

 供述に基づくと、被害者は失神するまで抵抗を続けた。承諾がなかったことに疑いを差し挟む余地はない。被害者は乱暴後に殺害されて解体され、所持金を奪われた。被害者が仮に自殺を決意していたとしても、想定していた流れとはかけ離れており、所持金を委ねる意思表示もなかった。強盗強制性交殺人が成立する。

 【刑事責任能力】

 精神障害がなく、疑問を抱く行動もない。一貫して目的にかなった行為をし、責任能力は全く問題がない。刑事責任を問えることは明らかだ。

 【社会的影響】

 自殺志願者を標的に、インターネットを悪用してだまして誘い出すなどした手口や、自室から9人分の頭部遺体が発見された事実は、社会全体に大きな衝撃を与えた。

 【量刑】

 2カ月の短期間に9人もの未来ある若者が尊い命を奪われた。前代未聞の猟奇的かつ重大な事案で悪質極まりなく、万死に値する。被告を死刑に処すべきだ。

 ■弁護側の最終弁論

 【殺人の承諾】

 被害者は被告に殺害されることを承諾していた。SNSでのやりとりから、死ぬために被告と会ったと分かる。被告の部屋内のロフトでは2人同時に自殺できない。被害者が先に酒や薬を飲んだのは、自分が最初に死ぬという意思の表れだ。現金や所持品は被告に委ねたと言える。

 【検察主張への反論】

 検察側は「被害者は殺害を承諾していなかったから抵抗した」と主張するが、具体的な様子は分かっていない。首を絞められ体が何らかの反応をしたという限度でしか事実認定できない。検察側は「被害者は強制性交を含む一連の流れを想定していなかった」とも主張するが、性的働き掛けを受けることは考えられるのに、被告と2人きりになっていた。

 【刑事責任能力】

 被告は悲惨な事件を平気でやり遂げた。「精神疾患はない」との鑑定結果は信じられない。家族歴の検討が不十分で、被告の供述の正しさを吟味したか疑問がある。再鑑定が必要だ。

 【被告の供述】

 被告は真実を話さず、全てを早く終わらせようとしている。承諾があったと主張して取り調べや裁判が長くなるのを避けたのではないか。供述には変遷や曖昧さがある。

 【結論】

 被告に重大な責任があるが、承諾殺人や強制性交致死の罪にとどまる。死刑は選択できない。