エンタメよもやま話

欧米でも着々と進む中国共産党の巧みなメディア戦略

トランプ米大統領(左)と対立する中国の習近平国家主席。中国は米と貿易戦争だけでなく“メディア戦争”も繰り広げている(AP)
トランプ米大統領(左)と対立する中国の習近平国家主席。中国は米と貿易戦争だけでなく“メディア戦争”も繰り広げている(AP)

 前回の本コラム「中国が仕掛けるメディア戦争、アフリカで進む放送局支配」(https://www.sankei.com/west/news/201120/wst2011200001-n1.html)では、中国政府が着々と進める巨大経済圏構想「一帯一路」の重要拠点、アフリカ諸国で中国側が行うメディア支配の恐ろしい現状についてご説明しました。

 しかし、そうしたメディア支配は欧米でも積極的に展開されています。今週はそうした現状についてご説明いたします。

 これも前回ご紹介した2018年12月7日付の英紙ガーディアン(電子版)などが詳細に報じているのですが、中国におけるプロパガンダ(宣伝)機関の代表格、中国国営中央テレビ(CCTV)が、アフリカで行ったメディア戦略を世界に拡大するため、16年に国際放送部門を分離し、新たに「中国グローバルテレビネットワーク(CGTN)」の放送を始めました。

 英語だけでなく、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語のチャンネルも運営する力の入れようですが、このCGTNがロンドン西部の街チズウィックに英の拠点となる放送局を立ち上げた際、「中国の視点でニュースを報じる」仕事として90人を募集したところ、何と約6000人の応募があったというのです。採用担当者は履歴書を読むだけで約2カ月かかったとか。

 なぜ、こんなことになったのか。理由は簡単。インターネットの台頭で英でも新聞を中心としたメディアが苦境に陥っており、果てしない予算削減に意気消沈した西側の記者たちにとって、高給を提示するCGTNが魅力的な職場に見えるのは当然です。

 <アフリカやその他の地域で働く中国人ではない記者にとって、中国の国営メディアで働くことは、たっぷりの報酬と新たなチャンスを提供することになる>(前述のガーディアン紙電子版)のはもはや公然の事実です。

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