共産志位委員長、異例の在任20年 野党連合政権の樹立目指すが 党勢は衰退 - 産経ニュース

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共産志位委員長、異例の在任20年 野党連合政権の樹立目指すが 党勢は衰退

記者会見する共産党の志位和夫委員長=12日午後、国会(原川貴郎撮影)
記者会見する共産党の志位和夫委員長=12日午後、国会(原川貴郎撮影)

 共産党の志位和夫委員長(66)は24日、委員長就任から20年を迎えた。この間、共産党の党員数や機関紙「しんぶん赤旗」の購読者数は大きく減少した。次期衆院選で野党連合政権の実現を訴える志位氏と共産党にとって、党勢の拡大が大きな課題となっている。

 「2000年代はずいぶん厳しかった。自民か民主か、二大政党のどちらかを選べというキャンペーンがずっとあり、共産党は蚊帳の外に置かれていた」

 志位氏は19日の記者会見で、この20年間をこう振り返った。

 共産のトップの選出方法は、一般党員らによる直接選挙でトップを決める自民党などと大きく異なる。2~3年ごとに開く党大会で、代議員が投票で「中央委員」を選び、この中央委員が党を代表する委員長を選出する。

 志位氏は平成12年11月の第22回党大会で、不破哲三氏の後継の委員長に選出された。在任期間が他党で類を見ないほどの長さとなっているのは、党内に国政選挙の結果責任を取ってトップが辞任する文化がないことも大きい。

 共産は2000年代の「二大政党制づくり」の潮流について、「すぐには政権の担い手とならない共産党を始めから有権者の選択肢から排除する」仕組みだと批判。「たしかな野党が必要です」などのキャッチフレーズで存在をアピールした。

 共産が転機と考えたのは、平成27年9月に成立した集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法だ。志位氏は選挙協力を前提に、野党に「戦争法」と呼ぶ同法を廃止するための「国民連合政府」の実現を呼びかけた。これが、その後3回の国政選挙で候補者調整を中心とした野党共闘につながっている。

 志位氏は今月19日の記者会見で「今では国政選挙で共産党との選挙協力は当たり前になっている。『共産党を除く』時代が過去のものになり、共闘が当たり前になった」と胸を張った。

 志位氏は現在、立憲民主党に、次期衆院選での協力と結びつけながら共産が参画する野党連合政権の実現に合意するよう求めている。立民の支持母体である連合は「共産が入った連立政権なんてあり得ない」(神津里季生会長)と拒み、可能性には疑問符がつく。それでも志位氏は「直面する総選挙で政権奪取を目標にすることは、98年の党の歴史でも初めてのことだ」と意気込む。

 ただ、野党共闘にはマイナス面もつきまとう。令和元年の参院選では、野党統一候補の擁立を優先し、共産が改選数1の1人区の多くで候補を取り下げたが、これが、生命線となるはずの比例代表の得票数を削り、共産の獲得議席は改選前の8から7に減った。比例の得票数も前回比153万2783票減の448万3411票に落ち込み、党勢の拡大にはつながらなかったのだ。

 そもそも、共産の組織自体で縮小傾向が顕著となっている。20年前に38万7千人だった党員は、今年27万人余りにまで減少。199万人だった「しんぶん赤旗」の購読者も、昨年は100万人を割り込んだ。

 共産も「最大の弱点は党の自力の問題」(昨年の第7回中央委員会総会決議)と認めている。

 党勢は「率直に言って危機的」(志位氏)な状況にある。反転攻勢に転じたうえで次期衆院選で野党連合政権を実現し、再来年の党創立100周年を迎えられるか。共産党員や支持者は、21年目の志位氏の手腕に注目している。(原川貴郎)