ポスターの前で涙ぐむ春馬ファン、聖地と化した商人の殿堂

映画ポスターを見つめる来館者=大阪市中央区の大阪企業家ミュージアム
映画ポスターを見つめる来館者=大阪市中央区の大阪企業家ミュージアム

 春馬くんに会いたい-。7月に急逝した俳優の三浦春馬さんが薩摩出身の実業家、五代友厚を演じた主演映画「天外者(てんがらもん)」の公開を前に、大阪企業家ミュージアム(大阪市中央区)の五代友厚特設コーナーにファンが詰めかけ、関係者を驚かせている。五代が実業家として多くの功績を残した大阪で、ファンは三浦さんの演技に思いをはせている。  

(上岡由美)

 「本当に知れば知るほど春馬くんと五代友厚が重なって」「春馬さんがここにいた」「五代友厚展に行き、本も読み始めしっかり心を寄せて映画に挑みたいです」

 会員制交流サイト(SNS)のツイッターには、ミュージアムを訪れた三浦さんのファンの書き込みが相次いでいる。

 12月11日に全国公開される映画は幕末から明治という激動の時代を、才覚を持って駆け抜けた五代を中心に描く青春群像劇。天外者とは、鹿児島の方言で「すさまじい才能の持ち主」という意味で、三浦さんは緻密さと優しさを持つ五代をこん身の演技で見せた。

 五代はかつては「東の渋沢栄一、西の五代友厚」とも称された人物で、大阪商法会議所(現在の大阪商工会議所)を設立し、初代会頭を務めるなど商都大阪の基礎を築いた。今年は没後135年にあたることから、大阪で活躍した企業家を顕彰する同ミュージアムでは9月5日から、特別展示「五代友厚展」を開催していた。すると、映画の公開が決まった9月中旬から「五代さんのことを知りたい」と訪れるファンが増加したという。

 関係者から、三浦さんが大写しとなった映画のポスターや小道具を借りて10月上旬から掲示すると、「ポスターを見てきました」などというファンによるツイッターへの書き込みが増え、多いときには百数十人のファンでにぎわう日もあったという。

 先月末の特別展終了後も「今も見られますか」と問い合わせが続いたため、ミュージアムでは新たにコーナーを設け、パネルや展示物の一部を公開して対応。現在は小道具の展示は行っていないが、ポスターと一緒に写真を撮ることもできる。

 同ミュージアムの上野尚子さん(57)は「非常に熱心に展示物を読んだり、ポスターの前で涙ぐんだり、ファンってありがたいなあと思います。団体ではなく個人でこんなにたくさん来られるのは珍しい」と話す。

 五代の命日にあたる9月25日に大阪商工会議所で開かれた関係者試写会で映画を見た上野さん。「全力で演じられた三浦さんの情熱的な演技に心動かされました。ぜひ映画も見てほしい」と語った。問い合わせは同ミュージアム(06・4964・7601)。

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