G20サミット、コロナ克服へ協調 首相は脱炭素社会へ決意

オンラインで開催されたG20サミットに出席した菅義偉首相=21日夜、首相官邸(内閣広報室提供)
オンラインで開催されたG20サミットに出席した菅義偉首相=21日夜、首相官邸(内閣広報室提供)

 20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は22日、オンライン方式で2日目の討議に入り、首脳宣言を採択して23日未明に閉幕する。新型コロナウイルスを克服するための協調を打ち出すほか、感染再拡大を踏まえて、世界経済が下方リスクにさらされていることを指摘し、政策を総動員すると改めて強調する。

 菅義偉首相は会議で、2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする政府目標の達成に向けた決意を表明。脱炭素社会の実現は国際公約の位置付けになる。世界の国内総生産(GDP)の8割を占めるG20が各分野での利害対立を乗り越え、協調を実行に移せるかが今後の課題となる。

 首脳宣言には新型コロナの診断、治療、ワクチンの供給や製造に向けた協調を盛り込み、資金力の乏しい途上国を支援することも表明。日本が提案した枠組みで、ワクチンの特許権を国際的に共有して価格を抑える「特許権プール」を支持する。途上国支援では債務免除を含め民間部門も参加するよう呼び掛ける。

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