話の肖像画

作家・安部龍太郎(65)(1)戦国時代史観に異議あり!!

《歴史小説は史実に忠実であるべきか? エンターテインメントなのか?》

僕が歴史小説を書く上で大事にしているスタンスは、読者が楽しみながら面白く読めて、しかも「過去から学ぶ」こと。そのためには、ちゃんと、過去を踏まえていなければなりません。残された史料を集めて、それをどう解釈するかは、人によって違いがあって当然ですが、僕は自分が信じる解釈、歴史観を土台として作品を書く。歴史と対峙(たいじ)した経験は、知識を知恵に変えます。そこから生まれた発想力は未来の問題解決の突破力にもなる。僕はそこまでを作品で提示したいと思うのです。(聞き手 喜多由浩)

【プロフィル】安部龍太郎(あべ・りゅうたろう)

昭和30年、福岡県出身。久留米工業高専卒。東京・大田区役所勤務などを経て、平成2年『血の日本史』で単行本デビュー。17年『天馬、翔(か)ける』で中山義秀文学賞、25年、戦国期の絵師、長谷川等伯(とうはく)の生涯を描いた『等伯』で直木賞を受賞した。令和2年『京都府文化賞』受賞。主な著作に『信長燃ゆ』『宗麟(そうりん)の海』『家康』など。歴史エッセーも多い。

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