デジタル化を加速させるマクドナルドの未来は、「ドライブスルー」にあり

ドライブスルー限定の店舗も

こうした変革のなかには、ほかのブランドがより小規模に取り入れて成功しているものがある。例えば、注文受け取り専用の駐車スペースなどだ。地元の農場の食材を利用するファーム・トゥ・テーブルの取り組みも、これに該当するかもしれない。

さらに意欲的な取り組みもある。注文した商品がベルトコンベヤーに載って出てくる注文受け取り専用のドライブスルー・レーンも、そのひとつだ。銀行の入金専用窓口のような感じだが、商品の流れは逆方向である。

さらにマクドナルドは、店内飲食を少数にする、あるいは完全になくすコンセプト店舗も検討している。これはキッチンの周囲にドライブスルーのレーンと、受け取り用の駐車スペースがあるだけの店舗だ。

店舗の形態を変更する取り組みは、それ単体ではうまくいかない。この物理的な大改革は、マクドナルドの既存のアプリと新たな顧客向けのロイヤルティプログラム「MyMcDonald’s」があって初めて完成する。

MyMcDonald’sはマクドナルドの6大市場で21年末までに開始される。これはスターバックスの「Starbucks Rewards」プログラムのようなものだと考えてほしい。会員は事前に注文して商品を受け取ると、購入したフードとドリンクに応じてポイントを獲得できる。そのポイントは、フードやドリンクと引き換えられるシステムだ。

加速する最新技術の活用

マクドナルドは、インターネットの重要性を初めて打ち出したファストフードチェーンというわけではない。例えばドミノ・ピザは、遅くとも16年にはオンライン注文のさまざまな選択肢を提供していた。また、タコベルやダンキンなどのチェーン店は、すでにロイヤルティプログラムを実施している。

実はマクドナルドも、コーヒーを購入した客にポイントを付与する「McCafe Rewards」というサービスを実施している。これに対してMyMcDonald’sは全メニューを網羅するだけでなく、デジタルメニューやセルフオーダー端末も対象にしている。

さらに、位置情報を用いて客のクルマが店舗の近くまで来たことを把握しており、注文された商品をクルマが到着するタイミングに合わせて用意することもできる。受け取る場所は専用の駐車スペースでもいいし、ドライブスルーのエクスプレスレーンでもいい。

マクドナルドは利便性を高める技術を、ほかの分野からも採用しようとしている。例えば、19年に買収したDynamic Yieldの技術がそうだ。この技術によってドライブスルーやセルフオーダー端末に表示されるメニューは、時間帯や天気、ドライブスルーの所要時間、各地域の人気メニューなどの要因に基づいて最適化される。米国とカナダに12%2C000店あるドライブスルー併設店で、この技術はすでに使われている。

お薦めの最適化も進む

この技術の基盤となっているアルゴリズムは、近いうちに購入履歴などのデータに基づいてさらに緻密なレベルで商品を薦めるようになり、それぞれの客の好みに合ったレコメンドができるようになるはずだ。しかも、それはアプリ内にとどまらない。

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