自民党税制調査会は18日、幹部会合を党本部で開いた。甘利明税調会長は終了後、記者団に「相続税と贈与税に関し、海外ではいつ資産を移転しても公平で公正な制度がある」と述べ、二つの税の一体化に向けた見直しに意欲を示した。
日本では相続税と贈与税を原則として別々に適用する「暦年課税」が中心で、生前贈与と死後の相続では税負担額が大きく変わる。一方、欧米主要国では二つの税を統合して累積額に一体的に課税しており、資産移転の時期によって税負担が左右されにくい利点がある。甘利氏は「国際標準に極力沿う形にしていきたい」と表明した。
19日の与党税調総会から作業が本格化する令和3年度税制改正で議論する方針。ただ相続税と贈与税については、政府税制調査会(首相の諮問機関)でも集中的に議論する専門家会合を年明けに設置する。政府税調の議論を待つべきだとの声もあり、結論を出せるかどうかは不透明だ。