座間事件 8~9人目被害者に関する中間論告・弁論要旨

白石隆浩被告が住んでいた事件現場のアパート=平成30年10月、神奈川県座間市
白石隆浩被告が住んでいた事件現場のアパート=平成30年10月、神奈川県座間市

 座間9人殺害事件で、8、9番目に犠牲となった2人に関する検察側の中間論告と弁護側の中間弁論の要旨は次の通り。

 検察側の中間論告要旨

 【承諾なし】

 白石隆浩被告は自殺願望のあった2人に「一緒に死ぬ」と嘘をつき、レイプや所持金を奪う目的を隠していた。2人が本当の目的を知っていれば承諾したはずがない。自殺するつもりがあることと、他殺されてもいいということは全く別だ。「性欲を満たし金も得よう」という目的の、極めて自己中心的な単なる殺人だ。

 【アルバイトの女性】

 横浜市の女性=当時(25)=は被告と合流後、他者とのメッセージのやりとりを見せて笑ったり、昔は男性にもてていたと話したりしており、被告は「深刻な感じではなかったので、出会い目的で来たのだろうと思った」と供述。襲われた際は首を絞めている被告の手を外そうとするなどして2、3分間抵抗した。

 【当時23歳の女性】

 東京都八王子市の女性=当時(23)=は合流後に、自分から悩みを話したり笑ったりして楽しそうな様子で、被告は「悩みを聞いてくれる男性と出会う目的で会いに来たのだろう」と供述。被告の部屋に来てからは「殺してほしい」などと言ったこともなかった。襲われた際は被告を蹴るなどして2、3分間抵抗した。

 弁護側の中間弁論要旨

 【被告と会った意味】

 2人とも家族以外の人とコミュニケーションを取るのが苦手だった。1人で外出して他人と会うこと自体が一大事だった。それでも実行したのは死を強く決意していたからとしか考えられない。

 【死の実現】

 初対面の男性の部屋で2人きりになるのは危険だと分かっていたが、ためらう言動はなかった。「帰りたい」という発言やそぶりもなかった。被告の部屋で自らの意思で睡眠薬などを飲んで意識がもうろうとした状況をつくり、死の実現への動きを加速させた。

 【抵抗】

 被告は事件当時の被害者の様子を具体的に覚えていない。捜査段階の供述調書も抽象的だ。検察側は「被害者が抵抗した」と主張するが、首を絞められるなどして身体的な反応が生じたということまでしか認定できないのではないか。

 【殺害の承諾】

 証拠から分かる事実を冷静に検討すれば、被告に殺害されるのを承諾していなかったということに疑問が残るはずだ。