来年7月4日に卒業が決まった宝塚歌劇花組トップ娘役の華優希(はな・ゆうき)が17日、兵庫・宝塚大劇場で退団会見を行った。真っ白なドレス姿でマイクを持った華は「こんなに愛にあふれた世界にいさせていただいた幸せを強く感じています」と心境を語った。
京都府出身。立命館高校2年生のとき、雪組公演の『ロミオとジュリエット』を観(み)てタカラジェンヌに憧れ、3年生の2度目の受験で合格。3次試験の面接で面接官から「あなたはこれから自分が伸びると思いますか?」と問われ「ハイ、伸びます!」と大声で答えたという。
平成26年入団の100期生。「伸びます!」と答えた少女は本当に大きく成長。昨年4月、前花組トップ明日海りおの4人目の相手役としてトップ娘役に就任した。
「光栄過ぎて、信じられなかった」という華。だがその一方で「責任ある立場。卒業する時期もちゃんと考えなければ…」と思ったという。
漠然としていた卒業-を現実のものとして受け止めたのは今年1月。明日海の後を受け継いだ柚香光(ゆずか・れい)のトップお披露目公演の『DANCE OLYMPIA』の稽古中に決意し柚香に報告した。
「最後まで濃い学びをしていこう-と言っていただきました。柚香さんはいつも一番近くで見守っていただきました」
華にとって一番心に残る役は、柚香とコンビを組み当たり役と評された『はいからさんが通る』の花村紅緒役という。
「3年前に紅緒と初めて出会って、自粛で苦しいときもずっと私を励ましてくれたのが紅緒でした。一生忘れられない役です」
退団公演はトップ娘役として3作目の大劇場公演となる『アウグストゥス-尊厳ある者-』『Cool Beast!!』(宝塚大劇場来年4月2日~5月10日、東京宝塚劇場5月28日~7月4日)。
「卒業の日までしっかり前を向き、目の前の舞台を一生懸命に取り組みます」。涙はなし。紅緒のような元気な声で締めくくった。 (田所龍一)